零式艦上戦闘機
その5 何故?戦後の日本に零戦は一機も残っていなかったか?
その6 零戦の基礎知識
第二次世界大戦、太平洋戦争にて、日本海軍の主力戦闘機であった。
戦争初期、抜群の運動性、旋回性、長大な航続距離により、アメリカ軍戦闘機を圧倒した。
しかし、戦争中期より、アメリカ軍が新型戦闘機を導入したうえ、捕獲された機体より、弱点
を研究され、徐々に優位が失われ、戦争後期には、「神風特別攻撃隊」という自爆攻撃の
中心機種となってしまった。
どごぞの雑誌の最後にページにあるが、わたしのは掲載されていない。
私は、昭和36年生まれなので、当然のことながら、実際に零戦が戦闘するところなど、
見たはずは無い。無論、乗って戦ったはずも無い。
私が生まれた当時、日本には、零戦はただの一機も無かった。
(琵琶湖の底や鹿児島沖には沈んでいただろうが、そうゆうのを日本に有ったとは言わな
いだろう。)
そのため、私の少年時代には、零戦とは、プラモデルと、図書館にあった坂井 三郎様の
著書の世界のものであった。
プラモデルに関しては、おそらくこの零戦がベストセラーであろう。
本物の零戦を初めて見たのは、忘れもしない、中学生の修学旅行で上野の科学博物館へ
行った時である。ラバウルで合体改造された複座の二一型である。
昭和53〜54年に、プレインズ・オブ・フェームの五二型が里帰り飛行を行った時には、
情報不足の為、見に行くことは出来なかった。
しかし、平成7年に再度里帰りした際は、喜んで見に行きました。
下の写真はその時のものです。
ゼロ戦とは?非常に奇妙な名前だと思いませんか?
聞き慣れてしまって、あまり奇妙とは気づかないですか?
それでは、他の日本軍機をこれと同じ方式で読んでみましょう。
「ナインティ・セブン艦攻」「ナインティ・ナイン艦爆」「ワン式陸攻」「ワン式戦 隼」
「ツー式水戦」「ツー式戦 鐘馗」「スリー式戦 飛燕」「フォー式戦 疾風」「ファイブ式戦」
どうです、奇妙でしょう。
では、何故こんな奇妙な通称がついてしまったのでしょうか。
その経緯は次の様らしいです。
正式名称は「零式艦上戦闘機」「れいしきかんじょうせんとうき」です。
「零」この漢字を漢和辞典で調べると、読みは「れい」だけで、けして「ゼロ」とは読みません。
当時の搭乗員や整備兵の間では、「れいしきかんじょうせんとうき」ではながったらしいから
「れいせん」と読んでいました。呼んでいたですね。
ところが、この「零式艦上戦闘機」という名前すら軍事機密?であったため、国民には知らさ
れていなかった、新聞等で戦果を発表する際には、「海軍新鋭戦闘機」としか書けなかった
という事です。
当時の国民も飛んでいる姿を見、新聞でも見ていても、名前は知らなかった訳です。
ところが、その大部分の日本国民が知らない名前もアメリカには筒抜けだった訳で、
無線を傍受したり、不時着機を捕獲すれば、脇に書いてありますから。
それで、「零」=英語でZEROですから、Zero−fighter とか ZEROという名前は、一般的
なアメリカ国民は皆知っていたとの事です。
そして、戦後、日本国民は、アメリカ人から「海軍新鋭戦闘機」の名前を教えてもらった。
「ゼロ」と。
しかし、最近の日本語の乱れでしょうか、0を「れい」という人が少なくなりました。
電話番号などても、「ゼロ いち にい ゼロ」とか「東京 ゼロ さん」と平然と言いますから。
だとしても、この「零式艦上戦闘機」のファンなら、名前は正しく「れいしきかんじょうせんとうき」
または「れいせん」と呼びましょう。
一部訂正させていただきます。
知り合いの元海軍軍人さんで、零式水上偵察機を整備されていた方にお聞きしたところ。
「敵性語! 海軍は関係無い、英語など問題なく使っていた。」
のだそうです。
それでは、その零式水上偵察機を部隊でどう呼んでいましたか?という質問に対し、
「ゼロ式と呼んでいた。」
そうです。
零式艦上戦闘機にかんしても、どうやら「れいせん」という呼び方はどうも発音しにくい。
「ZERO=0=ゼロ」という英語も当時すでに一般化していた。
ので、「ゼロ戦又は0戦と書いてぜろせんと呼んだところも有るらしいです。
戦争当時の部隊で、「零式艦上戦闘機」をどう呼んでいたかの件に関しては、「れいせん」
「ぜろせん」どちらも正しいようです。
ただし、私の個人的こだわりですが、日本語の「零」という漢字のよみは、「れい」であり、
これを「ぜろ」と読むのは間違いです。
「ぜろせん」と読ませたいのなら「ゼロ戦」又は「0戦」と書くべきです。
1995年5月3日、茨城県の龍ケ崎飛行場での零戦五二型。
パイロットは、プレインズ・オブ・フェーム館長、ファイター・リビルダーズ社の社長で、
レノ・エアーレースの連勝記録保持者、ムスタングの墜落事故から生還した、
伝説の不死身の男、スティーブ・ヒントン氏である。